概要 　弊社では有機栽培の実現に向けて2012年に試験を行いました。。有機栽培とは完全な無農薬栽
培と違い、有機農産物の日本農林規格に定められた基準をクリアした栽培方法です。つまり、使用可
能な農薬、薬剤、肥料、菌類があり、私たちはこれらを使って、防除を行っています。
　私たちは通常栽培に比べ、コストの削減、安全・安心な生産、それによって付加価値を伴う販売価格
の向上などを目指すことを目的としてこの試験を始めました。将来的にはブランド化の実現を見据えて、
試行錯誤を繰り返しています。
　試験内容は、一部の薬剤の使用と耕種的防除、物理的防除をメインに行っています。生物的防除や
使用不可能な化学的防除は行わない方針です。
　現時点では、まだまだ有効な生産方法の確立はできていませんが、結果を分析し、課題をクリアする
ための手段を見つけるため、日々考察している最中です。また、この試験は2012年を最後に一旦試験
を休止しましたが、今後の状況を判断することで、再試験の可能性もあり得るつもりでいます。そのた
めには皆様のご理解とご協力をよろしくお願い致します。
試験内容 試験場所はかづの果樹センターです。試験樹はふじ／マルバカイドウ30年生樹６本を使用しました。
ダニ対策としてハーベストオイル、粘着くん、殺菌効果を期待して酢、ICボルドーを散布しました。防除
暦は以下の通りです。 2012年　有機栽培試験の防除暦（実績）

日付	散布量(l)	薬剤名	希釈倍数
5/11	50	食酢	100
5/28	50	ファイブスター顆粒水和剤 食酢 ステッケル	2,000 100 100
6/11	50	食酢	100
7/3	50	粘着くん水和剤 ICボルドー アビオン	500 30 100
7/27	50	粘着くん水和剤 ICボルドー アビオン	500 30 100
8/27	50	粘着くん水和剤 ICボルドー パンガードA	500 30 100
9/12	50	粘着くん水和剤 ICボルドー パンガードA	500 30 100
9/28	50	粘着くん水和剤 ICボルドー パンガードA	500 30 100

この他に物理的防除として、有袋栽培にしました。これは病害虫から果実を守るためです。
ステッケル、アビオン、パンガードAは展着剤です。 結果（2012） 試験に使う前は全くの放任樹だったため、今年は花芽の形成が悪く、19個と着果量が少なかったです。
その中から比較的良さそうな果実を10個選び、品質調査を行いました。結果は以下の通りです。（品質
調査の結果は10個中の平均値です。） 品質調査の結果 病害虫の被害結果 縦計  74.0 mm

横計  82.9 mm

果重  264.4 g

糖度  14.4 %

酸度  0.40 g/100ml

硬度  17.09 lbs
         16.93 lbs

日焼            3

リンモン病    1

すす点病      4

すす斑病      11

黒点病         4

黒星病         1

カメムシ        1

虫害             1

カラス           6

果実は袋を掛ける前に付いた黒星、すす斑、すす点病があったり、害虫によって食べられた跡がありま
した。良品と言える果実は2、3個でした。 収穫した果実１ 収穫した果実２ 収穫した果実３ 収穫した果実４ 考察   今回の調査結果から分かるように、着色はやや良かったものの、果実の大きさは小玉傾向でした。こ
れは、樹勢の関係もあると思いますが、花芽の形成が悪かったためと思われます。糖度に関しては、ふ
じの平均的な数値を上回るなど、問題ありませんでした。酸度はやや高めでしたが味に問題はない程度
でした。硬度は少し数値が高く、多少食べづらいといった感じでした。
  病害虫に関しては、病害がほとんどで、散布薬剤では防除が不十分でした。害虫の関しては、カメムシ
などの被害がありましたが、それほど目立ったものはありませんでした。
  このようなことから、今後、病害の対策をもっと強固にするためのアイデアを考える必要があります。品
質にはあまり問題がありませんでしたので、今後も栽培管理を徹底して行いたいと思います。 トップ 栽培状況 有機栽培の導入 効能 送料 支払方法 リンクス 注意事項 私たちについて メ　モ : りんごはエチレンガスを多量に発生させるので一緒に置いてあるほかの果物の熟成を早めて早く痛んでしまうので、成るべく他のビニール袋などに入れて冷蔵庫の野菜室などで保管して下さい。（バナナやキウィフルーツもエチレンガスを発生させます）逆にじゃがいもの 発芽は防ぎますので、じゃがいもの入った袋にりんごを１個入れておくとじゃがいもの保存に効果があります。 量が多くて冷蔵庫に入りきらない時は、必ず低温で気温の変化が少なく、日光の当たらない所で保存しましょう。 © 2019安保りんご店